トップの言葉【毎日更新2,679日目】
2018年05月20日
ビジネスコーチの中村です。
「オレは○○だぞ」
と、企業や組織のトップが口にしたら
私はとても残念な気持ちになります。
そして、その組織はトップへの信頼が
崩れているのだなと思います。
お坊さんからこんな話を聞きました。
僧侶になると、人から丁寧に対応されたり
手を合わせて頂けるようになります。
そんなことに対して、先輩からこのように
指導されたそうです。
「勘違いするなよ。
相手が尊んでいるのはお袈裟だ。
お前が偉いのではない」と。
2500年継承されてきた仏の教えが
尊ばれているのであって、それを
伝えている役割の自分が偉いと勘違い
するなとの教えです。
これは『役職』も同じですね。
社長や会長・代表というのは
組織の目的を達成するための
預かり物の役職です。
たとえ創業者であっても、
雇用して組織にしたなら自分個人
のものではなくなるはずです。
いろんな組織をみてきましたが、
役職就任当初はわかっていても
1~2年続けていると、どうも
自我と一体化していく人が
いますね。
そうなると、組織の目的のために
集まったメンバーがだんだんついて
いけなくなっていきます。
業績が低下しはじめたり、
人が集まらなくなっていきます。
そうなると、トップはいろんな
ことに指示を出し始めます。
でも、うまくいかない。
そんな時に冒頭の言葉を口に
してしまいます。
「オレは社長だぞ」
「私は会長なんだ」
と、、、
これを自分から言ってしまうのは
組織がまとまっていない、自分が
メンバーに信頼されていないと
証明してしまったことになります。
ますますメンバーの気持ちが離れて
いきます。
わざわざそんなことを言わなくても
組織がまとまって同じ方向に向かう
ようにするのがトップの『役割』です。
そしてその『役割』を果たしているか、
ふさわしいかを常に見られています。
メンバーに向かって「オレは、、、」
というのは権力の主張です。
そうではなく、自分に向かって
「オレは、、、」と責任感を
自問自答するのなら良いのですが。
私自身、自分で作った組織の代表を
10年以上務めているものが2つあり
ます。
創業者であり代表でもあるのですが、
何かを決めるときは必ずメンバーに
意見を聞くようにしています。
自分で作った組織ですが、
自分のものではなく預かり物
だと考えています。
トップに限らず、なんらかの役職に
ついたら、常に自分が役職と一体化
していないかを気をつけていたい
です。
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