雑用にチャンスがある

プロコーチとして活動を始めたころに、「講師」依頼を受けた仕事があります。

再就職訓練(主にパソコン講習)コースのなかで、コミュニケーションスキルや仕事の心構えなどを教えて欲しいと言うものでした。

そのころは「コーチ」になるつもりで「講師」になろうとは思っていなかったのですが、ご縁であり経験になると思って引き受け、今も継続しています。

3ヵ月ほどの期間のなかで、数回だけの授業なのですが、最後の回に必ず取り上げるテーマが「なぜ働くのか」。いろんな視点・切り口で働くことを考えてもらい、私の考えを1つの提案として提示しています。

そして授業の終わりには、就職後にチャンスを手に入れる考え方として次の言葉を伝えています。


 もし下足番を命じられたら

 日本一の下足番になってみろ

 そうすれば誰も君を下足番にはしておかぬ

                    小林一三


チャンスをもらうには、上司や周囲の目にとまる必要があります。

それには、世間で「雑用」といわれる仕事を頼まれた時が絶好の機会です。

多くの人は、簡単な仕事をたのまれると「雑用」だと思って「雑に」やってしまいます。

でも、頼んだ側は雑用とは思っていないはず。仕事を依頼したのです。


 「仕事」を「雑用」にしたのは、自分の心。


簡単な仕事すら雑にしかできない人間に、より大きな仕事のチャンスがもらえるわけがない。

今日チャンスをもらえないのは、昨日の雑な自分を見られていたから。

私はそう考えることにしています。

多くの人が「雑用」と思ってしまう仕事を、一生懸命に取り組む。

それには特殊な才能も能力もいりません。

簡単に、他の人と差をつけられます。

雑用を頼まれたらチャンス。