作業では人は育たない

~「トヨタ流」現場の人づくり~という講演会に行ってきました。

講師は、元トヨタ自動車生産調査部部長の田中正知氏。現在は、ものつくり大学名誉教授や東京大学の研究員をされています。

講演の中で、一番残ったのが、

作業では、人は育たない
仕事でトレーニングして、人は育つ

というフレーズでした。

作業:手順を全て具体的に指示してやらせる。ロボットへの指示と同じ。
   ティーチングやプログラムですぐに動く。トレーニングは不要。

仕事:目標を示して、やり方は任せて考えさせる。トレーニング期間が必要。
   人間は考えるから機会とは違う。命あるものには、育てる期間が必要。

そして、マネージャーは結果を管理するのではなく、プロセスをマネジメントするのが仕事。

う~ん、コーチングと絡めてコメントしたくなるところですね。
でも、今日はビジネスの視点で考えます。

自分が日々行っているのは「仕事」だろうか「作業」だろうか、と考えると見えるものが、変ってくるでしょう。

部下が育たない、言うことを聞かないという経営者やマネージャーは、自分が与えている指示は「仕事」なのか「作業」なのかと考え直してみるといいかも知れません。

また、マネージャーの役割が「仕事のプロセス」のマネジメントだとすると、経営者の役割は「仕事を創造すること」、と思えてきました。

経営者が「作業」に追われていてはいけませんね。従業員に「仕事を作って来い」というのも、本来役割の放棄かも知れませんね。

今、勉強している竹田先生のランチェスター経営の教えと、繋がるものを感じました。簡単に書いてしまいましたが、考えれば考えるほど深いですね。