オセロの一日

「ありがとう!」
妻に思わずお礼を言った。

昨日、帰宅してからも前日のある会議のことが気になり、気分が落ち着かないでいた。こんな時に限って子供は、グズついてギャーギャー騒いでいる。

思わず、「うるさい、静かにしろ!」と怒鳴りつけて、仕事部屋にこもって仕事をしていた。

しばらくして、妻が子供を抱えて部屋に入ってきた。

「ケンカしたまま寝たら気分悪いでしょ。ほら父さんも本当は**(子供の名前)のこと大好きなんだよ。頭なでなでしてもらっておいで。」

そう言って子供をおろすと、子供が僕のひざに飛び込んできた。
頭をなでながら「大好きだよ」と抱きしめながら、ふと、アドラー心理学の岩井さんの本を思い出した。

たしか「勇気づけの心理学」と言う本にあったないようだ。

朝一番に、「ああ今日も目が覚めた。ありがたい。今日もどんな素晴らしい日になるのだろう!」と言って(考えて)起き上がる。=白のオセロを置く。

当然、一日のなかには嬉しいこと(白のオセロ)もあれば、嫌なこと(黒のオセロ)もある。

夜、寝る前に「今日はどんないいことがあったかな」と考え、感謝して寝る。=白のオセロを置く。

そうすると、一日が白のオセロではさまれて、全部が白のオセロの一日になってしまう。一日を白にするか黒にするかは自分次第。

妻は、そんなことは全然知らないはずなのだが、僕に白のオセロを置いてくれた。
心から感謝する。