きのう開幕の大相撲9月場所では朝青龍が黒星発進のようだが、タイトルの『立会い』は相撲とは関係ない。
9月11日衆議院議員総選挙の『投票立会い』をやってきた。
地域から数名の代表者が、投票の公正さを監視する役として選ばれるらしい。
僕は地域のPTAから1名とのルートで、引き受けることになった。
投票がスタートしてから、終わるまで、そして投票箱を集計場所に運んで確認するまでを、ずっと朝から立ち会った。
何もせずに13時間座っていると言うのは、得がたい(?)経験だった。
ほかにすることがない(してはいけない?)ので、ずっと人間観察をしていると、ずいぶん発見があった。
そのうちの1つとして、
投票所で作業しているのは、すべて地域に住んでいる市の職員なのだが、市役所勤務の人ばかりではなかった。
中に1人とても若く見える男性がおり、投票がスタートしてから来場した有権者への対応が驚くほどぎこちない。
「大丈夫なのか? よくこれで市民サービスやってるな」と思っていたのだが、名札をよく見ると『保育士』と書いてある。
「保育士!?幼稚園勤務なのか~ぁ!」
「それなら、そうだよな、こんな業務じゃ緊張して、あせるのも仕方ないか」と思えた。
それにしても、あんまり手際が悪いので、そろそろ声をかけてアドバイスしようか、どうしようかと考えていたが、気がつくと、それまで彼の前で起きていた混乱が少し収まりつつある。
それまで小声だったのが、すこしはっきりとした大きな声で有権者へ声掛けをしている。どうやら自分で気づいて工夫したようだ。
そのまま見ていると、今度は手でジェスチャーを加えて案内している。
だんだん、それが自然になっていき、午後からは、ほとんどの有権者が迷わず案内に従うようになっていった。
「さっき、アドバイスしなくて良かった」
コーチが相手を認めずに、アドバイスしてしまうとこだった。
相手の可能性、能力、それを自分で見つける力を信じる。
コーチの大原則を忘れるところだった。
選挙に立ち会って、『人の成長の現場』に立ち会うことができた。