感傷的になるのは【毎日更新3,119日目】
2019年08月03日
感傷的になることありますか？
ある辞書によると、感傷的とは
「悲哀の感情に動かされやすく、涙もろいさま。
感慨にふけるさま。センチメンタル」
とありました。
私は、自分の過去の辛い体験を
思い出しては感傷的になることは
ありません。
そうなってしまうと、その過去に
心が戻ってしまってそこに囚われて
いる状態だからです。
過去の事実は事実ですが、その事実
をどう解釈してどう意味づけするか
は自由です。
いつまでも過去の事実を思い出しては
感傷的になるということは、その過去
に対する多様な見方ができていない
と言えるでしょう。
ちょっと厳しいかもしれませんが、
可愛そうな自分に酔っている状態
とも言えそうです。
「自己憐憫」
「悲劇のヒロイン症候群」ですね。
私の父は、小学５年の時に実父を
戦争で亡くしました。
６人兄弟の長兄として、その時から
働き始めています。
戦中・戦後の混乱の中で未亡人と
なった母と幼い兄弟たちを支えよう
と必死だったそうです。
少年時代に腹いっぱいに食事をした
ことはないとも聞いています。
漁師町では漁師になるしか方法がなく、
小さな体でさまざまな苦労、危険な目に
あってきた話を何度も聞かされました。
ですが、そうした昔話をするときは
いつも楽しそうです。
「あんな苦労したんだが、よく乗り越えたな」
「こんな工夫したんだよ」
「我ながらよくやったよな」
といつも笑いながら楽しそうに話しています。
自分の過去を思い出して感傷的になる姿を
見たことがありません。
厳しい状況の中で生きていくためには
感傷的になっているヒマなんてなかった
からかもしれません。
過去の話で感傷的になるのは、
若くして病死した弟のことを思い出す
ときくらいです。
自分のためでなく他者を思うときです。
ずっと強い父だと思っていましたが、
昨年からは難病に罹患し、どんどん
身体が動かなくなってきています。
それでも、
「ほんといい人生だったなぁ」
と口にしています。
事実をどう受け止めて意味づけするか、
父から学ばせて頂いています。
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