知識をもっていることと使うこと【毎日更新3,685日目】
2021年02月18日
『知識をもっていることと、
それらの知識を適切に使うこととは、
まったく別の能力なのである』
最近読んでいる本の一節です。
こんな実験がありました。
学術的に妥当なものと不適切な
説明文を用意します。
さらにそれぞれに、科学的用語を
含むものと含まないものを2種類、
計4種類を用意します。
1)学術的に妥当で科学的用語なし
2)学術的に妥当で科学的用語あり
3)学術的に不適切で科学用語なし
4)学術的に不適切で科学用語あり
これらを、一般人、専門家、そして
学生(専門講義を半年聴講)に判定
してもらうものです。
もちろん専門家は、2)を高く評価し、
それ以外を評価しません。
一般人は内容が妥当な1),2)に
加え、4)も評価します。
科学的用語があると妥当だと思って
しまうのですね。
ここで問題なのが学生です。
多少の科学的知識を身に着けた学生は、
2)を評価するものの、内容が妥当な
がら科学的用語を使われていない1)
を評価しないのです。
これで分かるのが、知識をもっている
だけで、それを適切に使うトレーニング
をしてないと、たんに専門用語に惑わさ
れる可能性が高いということでしょう。
よく、いろんなことに「科学的に」と
いう言葉を安易につかって、
やたらと「○○の法則」「**原理」
などの専門用語を使う人いますね。
最近顕著なのが、”宇宙の理論”だとか
”量子力学的に”だとか、”最新脳科学”とか、
”医学的に”などの言葉とそれらの専門用語
にこじつける説明、、、
こうした、ちょっと知識をもつとむやみに
使いたくなることを「知識の誘惑幻惑効果」
と言うそうです。
専門用語を使うことで正しさを主張したい
のでしょうが、論理構成がとても雑になっ
ているものが多いですね。
知識を学ぶことは大切ですが、
安易に自己流で使うだけでなく
使い方も学びトレーニングすることが
大切だと思います。
そうしたものが『智慧』に昇華して
いくのでしょう。
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